BINDIVIDUAL Compilation EP『BVBV』Special interview【Black Boboi】前編
6月23日に表参道WALL&WALLにてコミュニティレーベルBINDIVIDUALの企画イベント『BVBV』が約6年ぶりに行われる。
それに伴うコンピレーションEPがデジタルリリースされ、今回シングル「Wait at the water」で楽曲参加したBlack Boboiの3人にインタビューを行ない、楽曲制作やライブ作りへのこだわり、また今回の企画イベントや次回作のアルバムについても話を伺った。
それに伴うコンピレーションEPがデジタルリリースされ、今回シングル「Wait at the water」で楽曲参加したBlack Boboiの3人にインタビューを行ない、楽曲制作やライブ作りへのこだわり、また今回の企画イベントや次回作のアルバムについても話を伺った。
-
- レーベルのコンピレーションという初の試みですが、今作の「Wait at the water」はどのようなコンセプト、イメージで制作されましたか?
- ermhoi(以下e) 今回はレーベルのみんなで同時にリリースするってことで、せっかくなら面白い作り方をしようという話になり、結果同じキーと同じテンポで作るという実験的なスタートになりました。Black Boboiに関しては今回私が最初に土台となるピアノのリフとかベースとなるものを作って2人に投げました。
久しぶりの新曲だけどBlack Boboiの音楽ってだんだん深めていけばいくほどトリップホップとか、ダークだけど大人っぽさや冷静さもあるようなサウンドかなと思っていたので、そういうものを作ってみようかなと思って。
- 普段から曲を制作する時はコンセプトやイメージを考えてから誰かが2人に提案するという感じですか?
- e だいたいそんな感じです。
今回はコンセプトをある程度考えながら作ったんですけど、いつもは結構適当に作ったものを2人に投げて、それに対して反応したものがまた返ってきてっていうキャッチボール方式をとって作っています。
- 今作に関しては同じキー、同じテンポという条件がありましたが、制作の際に心がけたことや前作までとは違った大変だった部分はありましたか?
- Julia Shortreed(以下J) 大変だったところはメロディーかな。最後、”私はどこにいるのだろう”と歌う歌詞があって、その歌詞と音を合わせる作業や、スチールパンのメロディと歌のメロディがどちらも気持ちよく存在できるように歌のラインを探ったり、レコーディング日ギリギリまでやっていましたね。
今回のメロディの作り方が、前作のアルバムSILKと違っていて、前作はトラックを作ったら3人でそれぞれ思うメロディラインを1人1本ずつ作って、それをパズルみたいに組み合わせながら1個のメロディを完成させてたんです。
今回は基本的には「主体を歌う人」と「コーラスワーク」みたいな感じであまりパズルをせずに作ったよね。
e 今までのBoboiは「曲を作る」っていうことはやってはいるんだけど、それぞれのアイディアとの組み合わせ方を楽しむというか、ある意味民主的というか。みんなの要素をかなりイーブンに取り込んでいく意識があったんですけど、最近はもっと曲としてナチュラルかどうかとか、パフォーマンスする上で自然かなと考えるようになってきたので、歌の乗せ方も変わりました。
あと曲が完成する手前で1回立ち止まって考え直してみる”冷静さ”を手に入れた感じがあるかな。
J そうだね。正直にいっちゃおうみたいな。
本当にこれで良いのかを正直にもう1回3人で聴いて、納得しなかったら納得しない人が納得するまで付き合うみたいな。
今回はその第1作という感じがします。
-
- ”立ち止まって3人で考え直すこと” は、今までの楽曲制作の中でそこまで意識的にする工程ではなかったんですね。
- e 前はもうちょっと勢いに身を任せるみたいなところはあった気がします。
それが良かったとも思う。
小林うてな(以下う) 意識的ではなかったけどAgate(1st mini AL)の時は考えていたかな。
SILK(2nd AL)はもっと衝動的にやりました。
J そうかもね。Agateは3人で密に会ってたしね。
Agateと今回の作り方はちょっと近いと思う。
う SILKと比べたら「会って、やる」っていうのが1番違うかもね。
J SILKはコロナ禍で制作していたこともあり、ある程度オンライン上でメロディーラインを組んでくれる人を信頼 して任せ るという作り方だった。
作ってもらったメロディを聞いて「良い!」ってなってたし、全然違うメロディーが組み合わさることで新しい化学反応が起きて凄く面白いと思った。SILKを1回リリースしたうえでやろうとしてることが、初期の「会って作っている中で本当に良いかどうかを立ち止まり、3人で話し合いながら進める」というやり方に戻りましたね。
- 個人的に、メロディと相まった特に”歌詞”のメッセージ性が強い曲”というイメージがあったのですが、歌詞はどのようにして制作されましたか?
- う 歌詞はみんなで書いたよね。
J 3人でそれぞれ今の思いを言葉にして、ermhoiが最終的に1つにまとめてくれました。今のこの状況がどうしても歌詞に入ってきていて、それが直接的なのか間接的なのかは置いておいて、それぞれ3人が思っていることが似ていて、
直接的に書いているところとちょっと遠くから俯瞰しているというか、皮肉に言っていたり、3人の気持ちが合わさって最終的な歌詞になったよね。
う 割と3人の書いてあることが、 要約したら似てたよね。「歌詞」というか、今回は「今思っていること」みたいな感じが強い(笑)
J 誰かに伝えるっていうよりは自分たちの内側っていうかね。
う そうだねっ!
「思っていること」なのであのような感じになっているのではと。
e このご時世でメッセージって個人的には意味をなすのかどうか分からないっていうぐらいに自分もみんなも疲弊してる気がするし、そんな単純なメッセージ受け取れないぐらいにみんな混乱してる、、、っていうのはあるんだけど、でもやっぱり自分たちが思ってること、感情的が言葉になったとき、それがもし共感されるようなことになるのであれば自動的にメッセージになってしまう気がしていて。歌詞ってそういう難しさがあるなと思うけど、伝われ!とかは思ってないです。
いつもそうだけど、あえて言葉を手放すみたいな気持ちで書きましたね。
う 恋愛ソングだったり、体験談とかも「んぁーー」って書いたみたいな、そういう”シンプルさ”みたいな。
J そうかもね。だからその人の状況によって受け取り方も違うかもしれないね。
- 受け取る側の心境によっても刺さる部分は違いますしね!
私は聴いてて歌詞に刺さる部分があったから”メッセージ性が強い”という印象を持ったのかもしれないです。 - J Agate、SILKを作ってきた中で比べると、今特に、自分たちだけではどうしようもできない出来事が起こっていて、ざわざわ掻き乱されている状況がそうさせているのかもしれない。
e 意外とコロナ以前って、みんなバラバラなところを見てた気がするんだけど、コロナを経てなんとなく同じものを見たり、情報が共有されたりして、同時に世界がちょっと乱れてきてて、、、。
見ているものが共有されてるっていう部分ではそういうことなのかもしれないね。
後編はこちら
- Black Boboi
- 2018年6月、音楽コミュニティレーベル「BINDIVIDUAL」の立ち上げをきっかけに、Julia Shortreed、Utena Kobayashi、ermhoiの3名で結成。2019年1月にミニアルバム「Agate」を発表し、同年8月にFUJIROCK FESTIVAL’19のレッドマーキーステージに出場。
2020年11月に1stアルバム「SILK」をリリース。
メンバーはそれぞれがソロアーティストとして、多岐に渡る活動を行っている。
Twitter / Instagram / YouTube Channel
Release Information
M3「Wait at the water」- Black Boboi
- 『BVBV by BINDIVIDUAL』
日時:2024年6月23日(日) OPEN & START 17:00
会場:東京・表参道 WALL&WALL
料金:ADV. ¥3,500 / DOOR ¥4,000 (各1D代別途)
出演:
[LIVE]
Black Boboi
BAUKHA
TEJINA Nya
[DJs]
Akie
midori yamada (the hatch)
YELLOWUHURU
atashi yamanonaka
Makoto
Shimpei Watanabe
[FOOD]
TAKOBAR
・チケット
一般発売(ZAIKO):https://wallwall.zaiko.io/item/363974
4月25日(木)18:00〜6月22日(土)23:59
■公演詳細:http://wallwall.tokyo/schedule/20240623_bindividual/