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BINDIVIDUAL Compilation EP『BVBV』Special interview【BAUKHA】後編

BINDIVIDUAL Compilation EP『BVBV』Special interview【BAUKHA】後編

6月23日に表参道WALL&WALLにてコミュニティレーベルBINDIVIDUALの企画イベント『BVBV』が約6年ぶりに行われる。
それに伴うコンピレーションEPがデジタルリリースされ、今回シングル「Ribbon」で楽曲参加したBAUKHAの4人にインタビューを行ない、BAUKHA改名の経緯〜由来、楽曲制作、ライブ演出、グッズ制作のこだわり、また今回の企画イベントについても話を伺った。
  • 活動再開後、ライブやリリースで更に精力的に活動されているイメージですが、何かきっかけがあったのでしょうか?
    Junya Kishino(以下J) HOPIでFUJI ROCK(2019 ROOKIE A GO-GO)に出て、おのっちがその時に加入して精力的に活動していた中で、2020年の1月のライブから休止していました。
    宮尾の出産とかコロナもあったしプライベートな事情も含めて、やむなく休止ということになったので、その間にアルバムをゆっくり作っていました。
    せっかくアルバムを作って名前も変えて活動再開ってことで、今回は途切れずにリリースをしてライブ活動も継続的にやって、ちゃんと聴いてもらえる状態を作りたいなっていう気持ちでやってます。
    楽曲のクオリティだけではなくて、おのっちも入ってライブ演出のクオリティが上がってるので、ちゃんと観てもらって聴いてもらいたいなっていう気持ちはすごくあります。

    Ryuichi Ono(以下R) そうですね。HOPIって名前で活動してた時にSpotifyとかApple MusicでHOPIっていう名前で活動しているアーティストが他の国にもいて、ランキングに間違って入ることがあったんですよ。


    J ホピ族の音楽と一緒に並べられたりしてたもんね(笑)


    R しかも日本だと文化盗用ってそこまでうるさくないですけど、結構アメリカとかヨーロッパではうるさいし、検索でダブってしまうのはちょっと、、、。
    僕らは知名度があまりないので余計にやめた方がいいなってところで改名を推した経緯があって。
    名前の由来はスピリチュアルな要素は捨てたくなかったので、バウって響きが犬が吠えてる感じがするのとそういう神様がいるってことで良いねとなり、自分がHOPIのイメージが”蛾”とか”蝶”のイメージがあったんで”羽化”とかいいんじゃないかってことで繋げて”BAUKHA”になった感じですね。
    ライブならではの演出や見せ方で工夫していることはありますか?
    J ライブだと宮尾は歌うだけだし僕もギター弾くだけみたいな感じで、演出的なところはおのっち、音的なところはポンタが主体になっています。
    ノウハウがあるおのっちが映像も含めて全体を見て、音の出方とかはぽんたが色々考えて変えたりしています。
    僕個人で言うとギターや機材を変えたり、そういうのはあるんですけどね(笑)
    演出としてはぽんたさん(Shimpei Watanabe)、おのさんの役割が大きいですもんね。
    J おのっちはメジャーシーンの大きい舞台でもやってるしぽんたは毎週DJとして活動してるし、場数踏んでるっていう意味では二人の感覚が大きい。
    僕は子育て中心の生活で現場になかなか行けてないし、宮尾もそういう感じのようなので(笑)

    Y(Yo Miyao以下Y) たまにステージに立ってる父ちゃん母ちゃん(笑)

    J そこは本当におんぶに抱っこでやらせてもらってる感じですね(笑)
    ぽんたさん(Shimpei Watanabe)は変化などありますか?
    Shimpei Watanabe(以下S) 前はラップトップでAbleton Liveを走らせてやってましたけど、今はCDJを使ってシンプルに良い音を鳴らせるようにしたり、DJミキサーの色々な機能を使って音の調整をダイナミックにやれるようにしたり。結果、やってみてよかったです。
    「こういうふうに鳴って欲しいな」っていうイメージが自分なりにあって出音は任せてもらってるので、それを再現できるようにリハーサルのサウンドチェックもPAさんとしっかりコミュニケーションをとりながらやっています。
    それは昔から変わってないんですけど、それを今の感覚でやってるっていうのはありますね。
    音的にどっちかっていうとクラブ的な鳴りは担保された方がかっこいい音であることは間違いない。そこの肌感っていうのは、最近はバンドよりもDJをやる機会が多いので「こういう音がこう鳴ってないとダサいよね」っていう観点を忘れずにPAさんと会話しながらやっている感じですね。
    音の面もあるけどやっぱりちゃんおのの演出は本当に凄まじいので。
    経験してる現場の種類とかも本当に違うなーと毎回思って。ライブの構成とかを「こういうふうにやりましょうよ」って言ってくれてめちゃくちゃ面白そうだなって毎回思いながら、実際にやってみてやっぱり凄いし、観にきてくれた人から”度肝を抜かれた”っていう反応をもらえるっていうのはそれの表れだと思います。
    我々が持ってる要素とかノウハウとか技術っていうのを余すことなく発揮できるように、僕も一端を担えるようにやってるっていう感じですかね。
  • 本当に分業というかバランスが良いのですね。
    S 良いかどうかは分からないけど、なかなかないバランスだなとは思うのでそこを活かした方が面白いかなっていうのはある。
    ようさんはありますか?
    Y 強いて言えばサブスクとかで「BAUKHAはちょっとミステリアスな感じでBoboiのレーベルだし、かっこいいアートワークもついて、どんな人たちなのかな」みたいに思われるけど、蓋を開けたらにこやかで意外と良い人達そうだな、みたいなところの入口になるのは私だと思う。
    SNSでできるだけ変なこと言わないようにとかは気をつけてるけど(笑)
    ライブの時は伸び伸び素を出したら、それはそれで気に入ってくれる人がいるのかなって思います。
    曲やアートワークのシリアスな方向性と真逆の方に向いてたりするけど、あまり隠さず、でも”決めるところは決める”っていうのをできるだけ人間性も共存させて見せたいっていうのを考えてるかな。
    あとは私の身体の動きでリズムの取り方が初めて分かる人とかもいそう。
    できるだけ踊って「歌っている人はこうやって拍をとってるよ」っていうのを見せて、ダンサブルな要素もあるよっていうのを聴くだけで分からなかった人が受け取れるかなとか。
    それでできるだけ動くようにしてます(笑)
    誰もノリ方が分からないんじゃないかってやつを私が一応4拍でとってるとか、見ないとわかんないんだなって思っちゃうから。
    「ここが意外と踊れるんだぞ」って伝えればみんな踊るのかな、みたいな。
    踊って欲しいですね!
    Y 踊って欲しい!こないだ来てくれた九州の友達は結構踊ってた(笑)
  • 個人的にBAUKHAのライブで変わってるなと思う部分はやっぱりグッズの”手作りお香”なのですが、作ることになった経緯を教えてください。
    Ryuichi Ono(以下R) グッズとして意外性のあるものって考えた時に、まず指人形とかお香が思いついて。
    どんな指人形ですか?
    R 次のMVでモスラみたいなやつを出す予定なんですけど、その指人形を作ったら面白いかなとか。フィギュアの中に曲のダウンロードの紙とか入れて(笑)
    宮尾さんもフィギュア作りたいって言ってたので(笑)

    Y 私とおのさんが結構おもちゃ好きで「おもちゃいいじゃん!」って。

    R コレクティブアイテム好き同士みたいな(笑)
    普通にシャツとかも作りたかったんですけど、軌道に乗るまでは拡散されやすいものに金をかけた方がいいかなと。意外性を出して「変なバンドいるな」って思って欲しかったので。
    さらにライブ演出で音と光以外で空間を満たせるとしたら匂いかなっていう部分でお香はありだなと。
    あと、家に帰って火を着けた時にライブを思い出してもらえる”記憶のトリガーとしての匂い”みたいな役割も担えるかなと。
    いろんな意味を含め、お香面白いじゃんって。
    なるほど。メンバーの手作りというところが結構珍しいと思います。
    R 今まで何回か販売して感触を掴めたので、色を付けてオンラインで売ろうっていう話が出ています。
    あと、次はラバーストラップを作ろうかなってちょっとだけ思ってます。

    Y 全員初耳です(笑)
    元々おのさんがグッズ担当なんですか?
    R プロダクトを作るノウハウを持ってるのが僕かな、みたいな

    S お香もすごいよね。ちゃんおのが3Dプリンターで型を作ってくれて、ちゃんおの自身で手作りでやってくれて。
    これは他の3人では出来なかっただろうなってすごい思いますけどね。

    Y おのさんがいる強みの1つ。変なグッズをハイクオリティで作ってくれる。

    S 本当に。

    J その強みは想定してなかったけどね。お香作れる人とは思ってなかった(笑)

    (笑)

    R 元々は作れないですけどね(笑)やりたがりなんで。

    S お香ってすごい驚かれるよね。
    ”ライブの音と匂いが記憶でリンクする”というのは自分自身も経験があるので、お香はナイスアイディアだなと思いました!
    R ありがとうございます!

    S あの3Dプリンターもそんな値段で買えるんだ、って。

    R 2〜3万でずっと型を生み出せるし、粉も原価率がめっちゃ低いので。
    …なんかたこ焼き売ってるみたいな感じですね(笑)

    (笑)

    Y この音楽性でそれをやってるのが結構新しいのかな。
    もっとハッピーな音楽やってる人たちがやってそうだけど。

    R 曲がストイックなのでグッズとかSNS周りでギャップをあえて生み出そうかなっていう意図は若干ある。
    映像も表に出るやつはストイックな方が良いかなと思うんですけどグッズは可愛いとか。
    そういうギャップがないと受け口が狭まっちゃうなって。

    Y 最高です!

    R 作家性を貶めずにどうやって受け口を広めようかなっていうのは考えてますね。
    こだわりがめちゃくちゃ詰まってますね。
    R こだわって僕の手が遅くなりがち...っていう問題はあります。

    (笑)
  • お香は次の6/23のイベント『BVBV』でも販売しますか?
    R そうですね!
    間に合ったらラバーストラップも相談しようかなと思ってます。

    S やりましょう!

    R 「バウカ」っていうラバーストラップ。
    「モスラ」っていうカタカナみたいな。
    欲しいです(笑)アイディアが本当にキャッチーですよね。
    アー写とかを見て「一体何者なの!?」っていう想像できないBAUKHAのイメージ像から色んな角度でギャップが出てくるのは面白いです。
    R 活動再開した時はどういう雰囲気になるか分からなかったので、とりあえずアー写は抽象的な雰囲気でいこうかなって思ったんですけど、それが良い結果になってたら嬉しいです。
    そんなこだわりが詰まったお香が実際に購入できる場でもある6/23のレーベルイベント『BVBV』ですが、どんな日にしたいですか?意気込みなど教えてください。
    S 今回はどっちかっていうとライブイベントっていうよりはパーティーって感じでやろうよってレーベルのみんなで話しているので、楽しいパーティーになればいいなって思います。本当に面白い日だと思うし、ライブやバンドが好きな人からも注目してもらえてるんじゃないかなとも思う。
    僕はDJの友達とかに「今度こういうのあるよ」って案内すると「めっちゃ面白そうじゃん!」みたいな反応を結構もらえたりするので、今回はその辺りが混ざり合う感じがあるんじゃないかなと思ってその光景を見るのが楽しみですね。

    J すごく分かりやすい音楽性ではないレーベルだし、DJの方々も一癖あるというか、そういう方々なのかなと思うんですけど。
    そこで発見があるというか、来てくれる人の偏差値が上がるような日になればいいですね。

    Y そんなこと言って大丈夫?(笑)

    J ”偏差値”はやばい、良くないです(笑)感度でいいです(笑)

    (笑)

    S 知らないものを知るきっかけになったら良いですよね!

    J そうですね、それくらいの柔らかい感じで(笑)
    頑張るので、良いものと感じてもらえるように楽しい日になればと思います。

    Y 私は個人的に生活に追われていて、前は歌って暮らしていたのが今は生活がメインのボーカリストになったから、大好きな仲間たちと観にきてくれる人たちとの空間にシャバを感じたい(笑)
    シャバを感じたい(笑)これも大丈夫ですか?(笑)
    RJ シャバ?(笑)

    Y ”歌う人”としてだけそこにいられる空間を楽しみたいです。生活を忘れて。
    おのさんはありますか?
    R なんとなくなんですけど、サウナっぽくなれば良いなって。
    湿度ってことですか?(笑)でも伝えたいことは分かります!
    R 良い感じのライブを観た時ってずっと集中してるので疲れなくて、サウナに入ってるみたいな気分になるので、みんなをああいう状態にしたいなと思いました。

    Y 全員違うベクトルで喋りすぎてる(笑)
  • 改めてユニークなバンドだなと思いました。
    BAUKHAの今後の目標だったり、新たに挑戦したいことはありますか?
    J MVで新曲を出すみたいな話があったりします。
    そういう出し方も含めて良い作品を継続的にリリースしてちゃんとレベルアップしていきたい。
    やっぱり前から言ってるんですけど、外で活動していくならばフェスに出たいです。そういうところに呼ばれるような感じで頑張りたい。
    「出来るものしか出来ないや」っていうのは元からずっと思っていて、それで外に合わせてペースを変えたり作風を変えたりは出来ないので、今の感じをちゃんとアップデートしていってそのままの自分達で認められるようにマイペースにやりたいです。
    あと、他の人とコラボしたい。去年そういう話があったりしたんですけど止まってて。
    そういうことも追々やりたいな。
    曲の作り方に関しても、例えばアルバムの「Gamofu」っていう曲ではおのっちがシンセで作ったフレーズを僕が膨らませたりしたのですが、これまで通りの分業ではなくインタラクティブに作曲する機会を増やしたりして、音楽が良くなれば良いな。
    その結果としてフェスに出たい!っていうのがあります。

    Y 出たいね!

    S フェス出たいですね。FUJI ROCKもまた出たいし、毎年11月に静岡の掛川でやってるFESTIVAL de FRUEっていうフェスがあるんですけどそれもすごい出たいですね。
    あとは海外でもライブがしたい。
    有り難うございます。素敵なお話が沢山聞けました。
    最後にリスナーに向けてメッセージはありますか?
    Y 私はリスナーの人にやってみてほしいことがある!
    うちのメンバーは同じ曲で全員ノリ方が全然違うから、全員のノリ方で拍の取り方を体感
    してほしい。
    メンバーみんな拍の取り方が違くてなんとでも成立するんですけど、どれが1番気持ち良いか試してみて欲しい(笑)
    ライブならではで良いですね!
    Y 「こんなノるやつなのこれ?」みたいなのがあると思うから。
    踊れると思って踊ってみて欲しい。私は踊れるものと思ってるから楽しめてるのかもしれなくて。
    踊れなくて難解なのかも知れないんだけど、メンバーが動いてるのを見たらノれると思うから踊ってみて欲しい。踊ってるところを見ます(笑)

    J 「Ribbon」すごい良い曲だなと思うので聴いて欲しいですね。
    EPの流れも良いし、SEDANはそんな表立った活動してないけどびっくりするくらいかっこよかった。Boboiもリリースは久しぶりだよね!
    当日配布するリミックス集もそれぞれの作風が思い切り出てるので楽しんでもらえると思います!
    やっぱり凄い人たちとやらせてもらってるんだなと思ったので、もうちょっと素直に聴いてもらって偏差値上げてもらって(笑)

    Y ”偏差値”やめて(笑)

    J 凄く良いものがレーベルとして出来たんだなと思うので、たくさん聴いてもらってパーティーも楽しんでもらいたいなっていうのが1番ですね。それだけです!
    有り難うございます!
    J いえーーい!

    (笑)
BAUKHA
2015年結成しHOPIとして活動。
2019年にBINDIVIDUALよりEP “FACE” をリリース、FUJI ROCK FESTIVAL ’19 ROOKIE A GO-GO出演。
2023年、BAUKHAとして活動再開、1stアルバムをリリース。

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M1「Ribbon」- BAUKHA
『BVBV by BINDIVIDUAL』
日時:2024年6月23日(日) OPEN & START 17:00
会場:東京・表参道 WALL&WALL
料金:ADV. ¥3,500 / DOOR ¥4,000 (各1D代別途)
出演:
[LIVE]
Black Boboi
BAUKHA
TEJINA Nya

[DJs]
Akie
midori yamada (the hatch)
YELLOWUHURU
atashi yamanonaka
Makoto
Shimpei Watanabe

[FOOD]
TAKOBAR

・チケット
一般発売(ZAIKO):https://wallwall.zaiko.io/item/363974
4月25日(木)18:00〜6月22日(土)23:59

■公演詳細:http://wallwall.tokyo/schedule/20240623_bindividual/